2013年07月30日

7月24日 指先(現代詩)


マニュキュアよりも
ネイルカラーの呼び方だ
うっかりぶつけて剥がれる

白くもなければ細くもない
爪を伸ばせる余裕もない
黒いキーボードを叩く指

たとえ太くても
荷物を持つのに丁度いい
でこぼこしていても
ペンを握れればそれでいい

こうして働くわたしの指先
すべての美よ言葉になれ
posted by 佐藤 歩 at 15:55| Comment(2) | 佐藤 歩 | 更新情報をチェックする

7月23日 溶けかけた(現代詩)


太陽を飲み込んだ
今日の空に18時が迫る

通学鞄は重く
制服は風になびくこともせずに
首筋に汗が走る


果たして
夜中に書いたラブレターよりも
人造の言葉で表したい

目の前に広がらず
雄大さの欠片もない有限の色彩


すべての色を溶かした闇は
夕暮れの後に

すべての色を超越した光は
暗闇の後に 
posted by 佐藤 歩 at 15:40| Comment(0) | 佐藤 歩 | 更新情報をチェックする

2013年07月27日

7月22日 価値のわからない(現代詩)


小さな湖は穏やかで
水鳥が滑る跡だけがゆるく残る

名前のない彼女は
言葉を発さずに人間を瞳に映す

夜になれば
暗い闇の中を歩いてゆくが
知らない者はあまりに多い

恐れることを履き違え
親しみを無礼な装飾にして
着飾った者がかかとで踏みにじる

痴れ者は
未だ深さを知ることなく
水面に足を踏み入れて湖底へ沈む

今日の晴天でさえも
光線を遮ったほとりでは
畏怖を覚えることになるだろうか

posted by 佐藤 歩 at 11:11| Comment(0) | 佐藤 歩 | 更新情報をチェックする

7月21日 空に咲く花(現代詩)



上空でフラッシュが瞬く
狼が雲の上を走り回る

落ちてくるひとしずくは
花びらよりも額ごと落ちる勢いで
庭のダリアにアタックする

そうしてはじけた片々が
低い土に向かって放射状に広がる

ガラスビーズより輝く花が漂う
やはりフラッシュは見逃さなかった


やがて光の帳は
気まぐれな太陽の所業を
七色に彩って人間に届ける

夕立は遠ざかり
今晩の花火大会は予定通り行われる

響く歓声に
狼はまた妬きながら眠りゆく

posted by 佐藤 歩 at 02:04| Comment(0) | 佐藤 歩 | 更新情報をチェックする

7月20日 海(現代詩)


氷の上で聞く歌は
名前を知らずさまよい歩く

波を切り裂く剣は
人の刀と向かってこぼれ
1パック3切れ240円で売られている

頭を落とされ
長く道を作ったヒレを奪われ
臓物を出され

何もなくなったところで
付けられた値札のシール
(あと3時間で2割引になる)


少し効き過ぎた冷房の中で
鋭い目で海の夢を見る

いつぞやか海へ還っていく
故郷も知らずにただ潮を思う

切り身のこころは
波打ち際で魚影を追う少年に重なった

posted by 佐藤 歩 at 01:37| Comment(0) | 佐藤 歩 | 更新情報をチェックする

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