2015年03月31日

3/31 「心機一転」

 それだけ?と私が聞いた。忙しく話しかける人たちのように気のきいたことばを私は持っていない。
「そう、これだけ。先に送ってしまったから」
 と、あなたが言う。見てわかることを聞いた私を皆が笑う。路面電車を降りて、陸橋を渡る。あなたの周りは人の垣根。あなたにたどりつくまでに四人は人をかきわけなければいけないだろうな。陸橋の階段で言うなら、私が足をかけたときにはあなたは頂上だ。
 そうしてあなたは行き、私は後から息をつく。
 改札を抜けて、大声に見送られてあなたはなんだか複雑な顔をした。
 奥歯にものがはさまったような。
 予想もしないようなものを踏んだような。
 それから顔を上げて、あとから連絡する、とそれだけ言った。
 この駅は始点だから、レールの始まりが曲がって起きてる。
 鎌首をもたげたレールがあなたに、言質取ったりと笑って光った。


 ※長崎駅で思ったこと
posted by かみうお at 17:17| Comment(0) | かみうお | 更新情報をチェックする
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