2013年08月03日

8/1 蝉の一生

 あの頃決まって、私とあなたは蚊を追い払いながら、木に登っていく蝉の幼虫を見ていた。長い年月を経て空を飛べる日を今かと待ち構える幼虫たちに胸をときめかせながら。
 そして、翌日、私は一人で木の根元に転がる、中身の入ったぬけがらたちを片付けた。幼いあなたの目にふれないように。積もらせた力がきっと羽ばたくと信じているあなたよ。いつか、あなたが木にしがみついて、その爪がふるえる時に、背中が割れただけの、中身の詰まったぬけがらを無力だと思わないように。その時まで、私は静かにぬけがらを葬ろう。
posted by かみうお at 08:45| Comment(0) | かみうお | 更新情報をチェックする
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